【遊劇舞台二月病「Round」】を観た感想 【Micro To Macro 代表 石井テル子】

スペースドラマ

こんにちは

Micro To Macro の石井です。
遊劇舞台二月病さんの「Round」を観劇しました。
社会派と呼ばれる二月病さん。
若手と呼ばれる劇団だと思いますが、勢い先行や荒削り的なものを感じない、ひたすら真面目に作品を作っている印象があります。扱うテーマが重いので当然そうなるとは思うのですが。
重いテーマを扱うというのは本当に難しいなと思う。
作り手の中で、ある問題に向き合った時に、これを自分の作る演劇作品の中に取り上げたいと思った瞬間に、この問題をどうにかしたい、どうしていきたいという強い想いがあるんだと私は思います。もしかしたら、単純にこんな問題があります。まず知っていきましょうだけかもしれないけれど。
二月病の今作品には貧困や子供を愛せない親など重いテーマの上に、更にギャンブル依存症も盛り込まれており。そして一人の救い手がいて。
この救いの手を伸ばそうとする人でさえ本当は弱い人間なのだという人間臭さをそこに置いたことはとてもいいなと思った。
だけど、前半のそれぞれの問題を抱える人々の生活苦のシーンは観るのが辛かった。
「今、社会にこんな問題が今あります」の描き方はとても難しいなぁと。改めて。
後半、自分はヒーローだと言って全然ヒーローじゃなかった救い手の男が頑張る姿はいい。自分がダメな人間だと自覚しながらも人を救いたいと願う衝動。
ここに、取り上げた問題に対してそれに立ち向かいたい、俺も今ダメかもしれんけど、でもどうにかしてこの問題を少しずつでも解消していきたいねんという中川くんの願いが込められていたんじゃないかと感じました。
真っ暗闇に、光を刺すのは難しい。
でもこんな苦しいテーマを取り上げて
果敢に挑んで作品を作っていこうとする二月病は応援したくなるな