【満月動物園「レクイエム」】を観た感想 【Micro To Macro 代表 石井テル子】

スペースドラマ

こんにちは

Micro To Macro の石井です。
満月動物園の「レクイエム」を観劇しました。
スペドラ記念すべき第1回目に出演した2劇団
鹿殺し丸尾くんと、満月戒田さんが掛け合わさった作品でした
もともと男性キャストでやったホンを女性出演者に変えて改定している作品とのことで劇作の時点からの苦労があったのだろうなと想像する。
「監禁」という恐ろしい状況の中に、10年間の恨み辛みや極限状態の中で起こる狂気など負の感情が撒き散らされ、観ていて苦しいシーンを重ねる中、監禁してまでも伝えたかったのは「純愛」一人の先生を想い続けた女の子の強い想い。だったのかなと思うのです。
観ていて、もしこれ、こっちやったらなぁと思う箇所がいくつかあって、例えば、猫を演じる諏訪さんの身体表現という一つのパーツはとても素敵だなあと思ったのですが、その猫の気持ち(喋る言葉)が全部録音で普通の声で聞こえてくるのですが、ここ、この録音を流さず、諏訪さん演じる猫が、「◯◯なんだよー』って気持ちを身体で表現する+一緒にいるハマダヨウコが、なんだいお前◯◯だっていうのかい?ってぽつりと言う・・くらいの方がハマダヨウコがよりひとりぼっちである感が出るんじゃないのかなと思ったり。何も言わなくても伝わる箇所があったりしないかなと。
あと、そのハマダヨウコが亡くなっていて双子のお姉さんが監禁までして妹の気持ちを伝えようとしてたんだけど、双子のお姉さんでなくて、本人死んでなくて、その本人の方がよくないかなと思ったり。お姉さんになると「純愛」の割合を下げて「復讐」というニュアンスが大きくなっていて、もちろん「復讐」は「監禁」というテーマと直結しているので、だからこそ禍々しいのだけど、私の好みの問題だけど、この悲惨な監禁の中に、最後に純愛を見たくて見たくて、本人だったらこの話どうなってたんだろうとモヤっと思ったのです。
改めて作・演が違うものを作る時の難しさや、でもお互いの想像を超えていく闘いや葛藤の先に作品の光は見えてくるのかなと感じました。