【May「ハンアリ」】 「演劇で何をするか」【ステージタイガー 白井宏幸】

スペースドラマ

朝鮮から日本に渡ってきた少年の一代記。
実際には親から子へ、子からその子、その孫へと綴られていく物語です。

「ハンアリ」を観ながら映画「アンダーグラウンド」が僕の記憶の端っこに触れてきました。分裂し亡くなったユーゴスラビアへの鎮魂歌のような映画です。カンヌでもパルムドールを得た面白い映画ですので興味を持たれましたらご覧下さい、長いですが。
作品について語るには知識の不足を嘆くしかありませんので、また機会を見て長い文章にしようと思います。
無知は悪いことではないが、学ぼうとしないことは恥ずべきことである。
そのように思った人間がいるので、この作品は成功したのではないかなと思います。あぁ、結局「お芝居についての感想」と「作品についての感想」とは切り離せなくなってきていますので、諦めます。

どんな風にお芝居を作るのか、ではなく、「お芝居で何をするか」という高さにいる劇団さんだと思っています。前者に関しても、「タツノコ期」など諸々、どんな風に作れば面白いか、という事をよく考えてあり云々。
役者さんの演技にも特別気にかかるところはなく、観た人の心を揺り動かし、衝動を与えるような作品になっているのだと、僕にはそう思えました。

利己的な事を言うと、得られるものの多さ目当てに、役者として劇作に関わりたいと思う劇団さんだなぁと、そう思いました。