【無名劇団「出家とその弟子」】乞わせる事の罪。【遊劇舞台二月病 作・演 中川真一】
この物語は親鸞の弟子である唯円と遊女かえでの恋の物語である。
しかし、
物語終盤になるにつれ、ジリジリと明かされていく親鸞とその子、
これがとても憎たらしいのである。
親鸞が愛した女性。我が子を愛した女性。
善鸞が焦がれた女性。善鸞に焦がれた女性。
この確執がとても素直で人間らしいのである。
親鸞と善鸞の二人の親子が同じような迷いの中で溺れているのであ
立場故に親鸞は無条件に非が無いとされ、
立場故に善鸞にのみ非があるとされ、
唯円は唯一人、この親子の共通点を見つけ。
他の僧は、己の考えを持たずに親鸞さまは正しい。
バカになった僧には、
このバカになった僧がこの無名劇団さんの作品の要だと、
考えを放棄したものたちが、決めつけで断罪する事の恐ろしさ。
考えを放棄した愚か者たちが、より多くの苦しみを産む。
非常に現代的な警鐘を鳴らしているのである。
歪められてしまった。唯円が乞う愛の形。唯円に乞う愛の形。
私たちも逃れるのは難しいかもしれない。しかし、