【コトリ会議「あ、カッコンの竹」】あっ、、、、【遊劇舞台二月病 作・演 中川真一】

スペースドラマ

なんとも不思議な時間を過ごした。
観劇中に何度も「あっ、、、、」と思わされた。
見事に手の平で躍らされた。悔しいが心地よい。
作品の中には、多くの人間でないものが登場していたが、全ての登場人物たちから人間らしさが立ち上っていた。同時に、理解し合えない無機質さも持ち合わせていた。
どうして、こんなに繊細で大胆な事が成立するのか。
それはきっと価値観のずれが描かれているからであろうと思った。
人間の数だけズレがある。当人たちにはズレは認識出来ない。「そうだよな、そんなものだよな」
と思ったとたんに、恐ろしさと親しみやすさが同時に襲いかかってくるのだ。訳も分からずに楽しく、訳も分からずに共感した。愛の形、命の価値、すべてのズレが愛おしい。とても不思議な感覚だった。
観劇が終わって、竹藪に入りたい気持ちと竹藪が恐ろしい気持ちが半々になっていた。これもきっと誰かの手の平の上で踊らされている。悔しいかな、楽しかった。