【匿名劇壇「レモンキャンディ」】「変な言葉 変な歌」【May 金哲義】

スペースドラマ

実は匿名劇壇さんは初めてになる。
その評価も届いてきて、メンバーの人たちとは出会うのに、全くタイミングが合わなかった。
そんな事はたくさんある。

劇場に入るなり世界観が飛び込んでくる。
それは「あ、こんな世界か」という先読みではなく「わ!どんな世界だろう?」というワクワク感。
そしてなんだろう?
「あ、この劇団は今、エンジンがかかっているんだな」
と、伝わる。

作品は出演者みんなの息が合った掛け合いが時間を飽きさせずに進んだ。

そういえば、数年前のスペドラでの、当時の「若手」と呼ばれる人たちの作品は「自分を問う」作品が多かった。
最近は「自分たちの空間を問う」作品がポツリポツリと目立っている気がする。
なんだか興味深い。

福谷さんの事を僕は個人的に脳内で「関西小劇場界のエマ・ワトソン」あるいは「関西小劇場界の興福寺の阿修羅」と思っている。
黙っていると「あ、怒ってる」と思うけど、一言話しかけるとその表情が一気にほころんで、優しい会話になる。
事情を知らずに脚本演出に徹している人かな?と思っていたら、開始早々彼の演技がとても楽しかった。
ホントにウザかった。(褒め言葉)

初めてこの劇団に出会った時はホントに若くて、あどけなさが溢れていたけど、なんだか芯が太くなっていて
「この人たちの20年後の作品を観てみたいなぁ」
とボンヤリ考えていたら、急に寂しさがこみ上げてきた。
なんだろう?

作中で元アイドルが歌う「レモンキャンディ」という曲。
その歌詞が好きだった。
あぁいう言葉に僕は弱い。