【コトリ会議「あカッコンの竹」】を観た感想 【Micro To Macro 代表 石井テル子】

スペースドラマ

こんにちは。Micro To Macro の作・演出をしています石井テル子です
コトリ会議さんの 「あ、カッコンの竹」を観た感想です。
コトリ会議さんはもう何度目かわからないくらい観ていまして。
多分、コトリ会議という劇団を知ってから大体全部観させて貰ってるかもで、実は一度「こりす池のともぞう」というコトリ作品に出演もさせて頂いたことがある者です。
感想とか、もうすごい書きにくいのですが、コトリ会議を観て、一番思うことは、どこの劇団とも(特に関西では)絶対被ってないだろう唯一無二感かなと。
たくさん芝居を観てると、色々な視点から、どこかと似てるなぁとか、作風が近いなぁとか多少思うことがあるわけですが、コトリ会議はどこにもない孤高の劇団だなと思うのです。
面白い台詞の独特の言い回しなどもそうだけど、ちょっと、(今回はだいぶ)おかしなことが、さらりと繰り広げられ(ここまではよくあると思うのですが)なぜかそれに可愛らしさが添えられ、観ているこちら側がケラケラ笑いながら受け入れてしまうあのヘンテコな感じです。だけど、そう思って観ていたらその後に突然、へいへ〜い油断してただろ〜と言わんばかりに、あっという間に宇宙の果てに放り出され、そして自分が何だかよくわからないもの、その宇宙の欠片の一粒になったような感覚になるのです。ようわからんこと書いてると思うのですが、大体最後に展開される台詞の群唱を聴いている時にそうなるように思います。
それが人間の生と死の狭間の何か捉えがたいものを捉えようとしている足掻きなのか、それとも、そんなどうにもならないものを私たちはどう見つめようっていうんだい?っていう問いなのか、全くわからないのに、その世界に連れて行かれた時に、なぜかツゥーと涙が出てきてしまうのです。嗚呼、今生きてる私は、この地に両足をしっかりつけて、ダメでもダメでも生きていたいようと思うのです。実はとてつもなく深い愛があるように感じるのです。
よう分からんというのに涙が溢れてくるってのは、なかなか無いもので。
私にとってはコトリ会議さんはそんな作品を観せてくれる劇団です。今回もそう思いました。
次も、またその次の作品も期待しています。