【コトリ会議 「あ、カッコンの竹」】なんとはなし【満月動物園 戒田竜治】

スペースドラマ

こんにちは。満月動物園で演出をしております戒田竜治です。
コトリ会議さんの『あ、カッコンの竹』を拝見しての感想です。

理不尽がサラリと流れる舞台でした。気になって調べてみたのですが、「理不尽」に確たる対義語はないようです。ちょっとネットで調べただけですけど。でも、なんとなく腑に落ちるものもあります。理不尽は二項対立のように存在するのではなく、なんとはなしに横たわるもののように思えてくる舞台でもありました。

理不尽は立ちふさがったり、突然あらわれたり、普段は気が付かなくても、ふと周りを見渡せば理不尽に取り囲まれているようにも思います。その隘路や窪地で、ひと息ついているだけというような感覚に襲われました。

ほんの一瞬だけ登場人物にスッと感情移入させられたかと思うと、スッと引いていく。様々に理不尽と人との距離感を描き出し織り出しながら、距離感の違いからくる時間の流れの違いが心地良くも、血もでないほどのひっかき傷をたくさんつけられるような、かゆ気持ちよい心持ちで劇場を出ました。

最後のスペドラも前半3劇団の上演が終わりまして折り返しです。同じ優秀劇団が集まっての演劇祭なのに、なんともバラエティー豊かなラインナップです。次は、7劇団が登場の「縁劇フェス」を挟んで、4番・満月動物園が登場します。

みなさま、ゼヒ足をお運びください。

満月動物園・戒田竜治