【無名劇団「無名稿 出家とその弟子」】を観た感想 【Micro To Macro 代表 石井テル子】

スペースドラマ

Micro To Macroの代表をしております石井テル子です。
スペドラの感想を書いていきます。
はぁ・・。
無名劇団さんの「無名稿 出家とその弟子」を拝見しました。
無名劇団さんの作品を観るのは、『無名稿 機械』から、今作品で2回目です。前回も感じましたが、パフォーマンスとして見せるシーンをしっかり盛り込んでいて、そこが前回よりも「女性らしさ」のようなものを感じました。それが今回のお話が遊女との恋物語であるから意図していたのかはわかりませんが。
(原作を読んでいないのですが)大正時代に書かれた戯曲を、現代に置き換えて創作しているもので、衣装や音楽などもその時代にはなかったものを敢えてふんだんに取り込んで作った意欲的作品だったと思います。
でも見終わった後は、表現の仕方、アレンジがどうとかいうことよりも、やはり作品のテーマ本質のようなものが染みる作品だったなと。
「信じる」ということはどういうことなのかを考えさせられました。
唯円がかえでを信じられなくなるのは、どれだけ仏の道を志す信仰深い者であっても生々しい「人間」であることそのものだし、最後の父と子のシーンもこの後に及んでも、大切な人の前であるからこそ、「信じる」とは言い切れない善鸞の人間として嘘がつけない人間の「性」であると感じました。
しかしですね・・この無名稿シリーズを何作も続けていることに驚きますね。先日、書いている中條さんと作品「無名稿 機械」を観て少しお話する機会があったんですが、すごい勉強されてますね。現代戯曲じゃないものは、まず読むのが難しいし、それを作りなおすわけですから。これが紆余曲折しながら、これからの無名劇団の「顔」になっていく(もうなってるのか!)のかなと感じました。
私としては全然別視点で、書いてる者と演出が違う劇団の方って、二人はどう擦り合わせたりするんだろうかと思うんです。書いてる意図通りに演出って進むのかなとか・・もう演出に委ねていくのかな・・とか。そんなことを無名劇団さんには聞いてみたいなと思ったりもしています。
トップバッターお疲れ様でした!