【匿名劇壇『レモンキャンディ』】観た感想【hige・ステージタイガー】

スペースドラマ

ステージタイガーで代表をやっているhigeです。
作家でも演出家でもないので、観劇の感想を書くのは得意ではないです。
そんな人が書いている文章なので気軽に

匿名劇壇を観るのは3回目。

関西の若手劇団の中では、すごく自分たちを考えて売れようとしている勢いのある劇団だと思います。先輩方とのつながりもあり、関西小劇場では次、キている劇団だと思います。
独特な自分たちの世界を持った、劇団だと思います。正直、お勧めの劇団です!

密室芝居ですよね。めっちゃ高いところから落下する飛行船にのった8人が地面に落ちるまでの間にいろいろあるお話。地面に落下するってわかってから地面に着くまで何日かかかることがわかり、死ぬことがわかって、追い詰められつつも、まだ時間があって、それぞれがいろんな行動にでるそんなお話。

まず、劇場に入ってわくわくしました。
作品がはじまって、さらにわくわく、これってどんな結末になるんだろう。
まんまと最初から最後までしっかり観ることができました。

舞台美術がすごく劇場という空間で存在感がありました。
傾斜のついた感じが、落下中の飛行船をものの見事に表現していました。
衣装やセットが、全体的に白でまとめられている感じが、人体実験にされている感じがでてよかったです。世界観としてすっと受け入れることができました。

関西ではこの照明さんしかあんまり小劇場では見ませんが、ムーブメントのシーンでレーザーを使った照明がすごくアクセントできれいでした。いい違和感が出ていました。

若手劇団だけどスタッフはベテランさんを使っているところが幅を広げてると思います。
作品のテンポがよくたんたんと芝居が進んでいくところは、観やすかったですね。
個々の掛け合いから全体の意見が割れたり、理性が爆発したり、裁判したり、追い詰められた人間が平常心を装いながらも、目の前の死というものをうまいこと受け入れられない。どこか冷めた感じがある人たちが、追い詰められたらこうなるんだ感はよかったです。

僕が観ている最中に違和感を感じたことがいくつか。

皆がおんなじ言葉づかい。
僕は勝手に「全員が福谷君に見える」って感想を言おうと観劇中に決意した。
たとえば、設定上知的な人が1人いるのだが、もう役者船員の言葉回しが知的。
8人全員のセリフが1人の人間言葉に聞こえてきた。設定は違うくせに感情的な時の気持ちの持っていき方が同じだからだろうか。。。
感情の流れが一辺倒なのか?演出の意図しているところなのか。キャストがもっと掘り込んでキャラを作るべきなのか。。。。
ダメ!ではないのだがなんだろうこの違和感。

設定が一向にしっくりこない。
こういう芝居ならば、いろいろちりばめた伏線を回収していくものである。
終わった後に結構ほったらかしのことがおおく、あれ?これってなんだったの?
人体実験?旅行?夢? さっきのやり取りはどこへ?
全員の設定を総合してもあんまりよくわからない。それなりにみんな変わった設定を背負っているのに。。。その設定いるかなみたいな。
タイトルにあるレモンキャンディも確かにいい仕事してくれるけど、、確かにタイトルになるべき仕事はしてるけど、、、それだけ?
本来ドラマでなければ、リアルな世界にはこんな違和感もあるかもしれないが、何となく僕自身はなっとくできない。ドラマとして回収してほしい!!すっきりしたい!

他にもあるけどそれはここで書くことではないので劇団のニシノ君にこっそりとつたえました(笑)

観終わって
「面白くない!」を公演を観た感想にしようと思って劇場を出た。
でもその後、いろんな人と観劇の感想を聞いているとおおむね好評。
なんだ、おれがおもしろくない男だったんだ。。。

芝居を観てすっきりしない、もやもやして終わる、僕はきっとそれを面白くないと感じるんだ。そのくせ、面白くないって感想を言おうと思っているくせに、しっかりと最後まで集中して作品を観ていたじゃないか。。。。もうよくわからん。
皆がどう感じたか聞きたくなる作品だ!これは!!!

僕がこの作品で持って帰ったものは「違和感」でした。
いまだにすっきりしませんが、カーテンコールまでは、しっかり観ることができました。
東京公演もあるのでそちらでの感想も観てみたいところですね。
以上感想でした。

あと余談ですが
腕立てが逆さだったらめっちゃしんどいだろうなって考えたときがありました!