地上と音信不通になり、彼らは絶対に生き延びる事はできなくなった、というお話の大前提は、このお話自体からサスペンスを奪っている。この芝居は故意に生き残りを賭けたサバイバルというこの手のドラマ定番を最初から棄てている。いらぬところは最初から極力省いて、テーマに集約する。
僕たちはやがて死ぬ。遅かれ早かれ、いずれ死ぬ。そこは誰もが避けられない。でも、それが7日後で、ここにはこの6人しかいない。しかも、閉ざされた狭い空間から出られないという設定の中で、彼らがどういうリアクションを見せ、何をしようとするのか、それが描かれる。
かなりハードなお話になり、そこが、作、演出の福谷さんの狙いなのだろうが、この状況を通して何を描くのかが見えない。オチのなさという結論は、やはり少し不満だ。