【無名劇団『無名稿 出家とその弟子』】観た感想【ツカモトオサム・CQ】
舞台監督・CQ/ツカモトオサムです。
今年のスペドラ○も舞台作品の感想を述べさせて頂く。
3年連続出場の無名劇団の新作は、文学翻案シリーズ「無名稿」
倉田百三の宗教劇『出家とその弟子』をベースに、
音楽、衣裳、小道具、振付、パフォーマンス、等々、
いつも通り、入念に稽古されていて、
仏法と恋の板挟みに悩み、親子の確執に嘆き、
だがやはり、最終的なテーマは人が人を愛することに絞られる。
愛とは何か?
愛とは有りの侭を認めることである。
信じることであり、許すことである。
親鸞は親子の思いを越え、息子である善鸞の有りの侭を認め、
秀逸なラストである。
良作と思いつつも幾つか気になるのは、
洋楽もパフォーマンスには良いのだが、
転換に統一性を持たせるのにパフォーマンスとエリア転換を多用す
視認される舞台上のスタンバイには必然性が必要に思う。
芝居のテンポを崩さずに場面をスイッチする独自の転換を考案する
だがテンポを崩すような転換なら、現状で十分と言える。