【私とスペドラ】壱劇屋と應典院の交わり【大熊隆太郎】
初めての應典院はスペドラでした。
2016年までに四公演させていただきました。
一回目は2012年「回想電車999」という作品。
まさにスペドラに出た時の作品でした。
この時はまだ若手枠として平日三日間の枠があり、
壱劇屋はそれに応募したのでした。
同世代のともにょ企画さんは一般枠で出場しており、
うちも一般枠で受ければよかった!と後悔したものでした。
今思えば本当に楽しい演劇祭でした。
May、Micro to Macroが前年からの出場で、
壱劇屋、ともにょ企画、超人予備校、月曜劇団、劇想からまわりえっちゃん、
と何処も毛色が違うし曲者な劇団ばかりでした。
見ごたえある年だったと自画自賛的に思います。
肝心の作品は協働プロデュース劇団に選んでもらったものの、
今思えば荒削りもいいとこで、よく選ばれたなと思います。
次の應典院もスペドラでした。
上記の協働プロデュース公演として「SQUARE AREA」という作品を上演しました。
これは前年の覇者的な扱いで上演されるので、それ相応のプレッシャーのある公演でした。
このプレッシャーはスペドラならではで、下手こけない恐ろしさがあります。
結果的に壱劇屋は劇団の代表作とも言える作品が生まれ、
スペドラに感謝としか言いようない公演になりました。
それから三年経って「SQUARE AREA」はもう一度、應典院で上演しました。
スペドラで生まれた作品を劇場に還すように。
これからも大事にしていきたい作品です。
そして四回目の應典院は「独鬼」という作品でした。
この公演は大熊が脚本・演出した作品ではなく、劇団の看板俳優である竹村による作品です。
初めてスペドラで関わった2012年の時から考えると、本当に幅が広がりました。
動員も伸びました。
劇団員も増えました。
他都市ツアー公演をするようになりました。
別れもありました。
演出家が二人になりました。
事務所もできました。
賞ももらいました。
賞賛も批判もありました。
壱劇屋の様々な事柄の土台の一部分はスペドラが担っております。
それは確かです。
今回のスペドラ○に壱劇屋はスケジュールが合わず、なかなか参加できておりません。
しかしスペドラには心から感謝しております。
来年からどうなるのか僕は知り得ませんが、劇場主催の演劇祭がなくなりませんよう切に願います。
大熊隆太郎・劇団壱劇屋
space×drama2012・2013参加
大熊隆太郎プロフィール
劇団壱劇屋主宰。演出家、振付家、俳優。NBA好き演劇人。「SQUARE AREA」が CoRich ! 舞台芸術アワード2016 で第一位を獲得。
劇団壱劇屋次回公演
東名阪三都市ツアー2017
劇団壱劇屋「新しい生活の提案」
作・演出:大熊隆太郎
大阪公演:5/26(金)~31(水)@HEP HALL
愛知公演:6/3(土)~4(日)@名古屋市千種小劇場
東京公演:6/22(木)~27(火)@萬劇場