【私とスペドラ】スペドラに出会って10年【島原夏海】
18歳の頃、Mayさんのチャンソを観た。それがスペドラとの出会いだった。その年、Mayさんは優秀劇団に選ばれなかった。あれだけのクオリティでも選ばれないのかと、衝撃だった。その年、私の劇団は休団する。スペドラに出るなんて夢のまた夢で、いつかは出てみたかった、なんて思いを抱きながら24歳になった年、劇団がひょんなことから再復活した。真っ先に思いついた目標が、「スペドラで優秀劇団になること」だった。翌年、スペドラ2015に参加。自分が、自分の劇団で参加出来た事が嬉しくて、思わず千秋楽で泣いた。次はないかもしれないと思っていた劇団の活動は、優秀劇団選出という形で次年度まで続いた。そして今年も。こうして3年連続で関わらせて頂くことになった。劇団を続けることができたのも、劇団が成長できたのも、今私が芝居を続けているのも、スペドラがあったから。
スペドラに出会って10年。これまで関わって来られた全ての方々が繋いできてくださった、関西の老舗演劇祭。先輩方に恥じぬよう、全力で挑みたい。
島原夏海・無名劇団
(space×drama2015・2016参加)
島原夏海プロフィール
(無名劇団代表/演出・役者/文部科学省認定ワークショップデザイナー)
平成元年大阪生まれ。大阪大学大学院修士課程卒。
15歳で無名劇団に入団し、以降すべての作品に携わる。2014年から2代目座長に就任。現在20代の女性を中心に精力的に活動中。
space×drama2015で優秀劇団選出、翌年に劇場との協働プロデュース公演を果たす。同年、札幌にて開催された教文短編演劇フェスティバルにて、道外初となる予選1位で決勝戦進出。ウイングカップ6優秀賞受賞。若手演出者協会主催「近代戯曲を読む」にて大正期の作品『出家とその弟子(作 倉田百三)』を演出。
公演情報
日本近代文学×現代社会=日本一陰惨な文学シリーズ。無名劇団が大阪と兵庫で2ヶ月連続新作公演
①2017年5月12日〜14日
應典院舞台大祭space×drama○参加作品『出家とその弟子』
②2017年6月9日〜11日
平成29年度 次世代応援企画 break a leg選出作品『無名稿 侵入者』